乗り越しラブストーリー
WESTival新潟公演を終えて、私は桐山担を降りた。そこまでの経緯と決意を踏ん切りの為に綴ろうと思う。
私が桐山照史を好きになったのは太秦行進曲公開の時期だったと記憶している。当時デビュー組に担当が居た私は掛け持ちという手段ではなく、『関ジュで一番応援しているだけ』という立場で桐山照史を応援していくことを決めた。
本当に緩く応援していた。その頃の私は桐山照史のシンメは中間淳太だなんて知らなかったし、そもそも唇の人、としか認知していなかった。(ごめんなさい)
担当はデビュー組にいて、桐山照史を緩く応援している状態が続いたまま、彼はデビューした。担当が出ていた為、デビュー発表をしたカウントダウンコンサートは自宅で観ていた。
デビュー前に彼が誰と活動していたかなんて知らないし、小瀧重岡はその時に初めて観た、というレベルだった。だから、この4人でデビューしたということに対して何も違和感を覚えなかった。
それがのちに私を苦しめることになるのだ。
彼らが4人でデビュー発表した後に7人に増員(果たして増員という単語で合っているのかは分からない)されたという事は、元々いたデビュー組の担当から桐山照史に降りた時に知る。
桐山担は楽しかった。WESTも大好きだった。だけれども、周りのファンと波長が合わない。
WESTはデビュー後出は新規と呼ばれることが多い。デビュー後にファンになった人が、「7人でデビュー出来て良かった」と言っても、「貴方はその当時の苦しみを知らないでしょう?」となることがほとんどだ。
実際その答えは合っている。
だって、その当時の、中間淳太 濵田崇裕 桐山照史 重岡大毅 神山智洋 藤井流星 小瀧望を知らないから。
今まで、ファン歴を盛る人を理解することが出来なかったが、WEST担になって初めて理解することができた。
関ジュ時代から応援してきた方々とデビューしてから応援しだした人は雲泥の差だった。
当時の苦しみを知らないまま応援するのは嫌で、必死に昔のことを知ろうと頑張ったが限界があった。諦めた。
ただ、それは私が桐山担を降りた理由ではない。
私が桐山担を降りた理由は、桐山照史と価値観が合わなくなったからである。この言い方が果たしてファンとタレント間で使ったいいのかは分からないが、この言葉が一番しっくりくる。
2017年のカウントダウンコンサート。
彼は今まであった前髪を切り、短髪になった状態で臨んだ。
かっこよかった。今までの柔らかい所謂子犬のような雰囲気ではなく、以前のような男らしい姿に戻ったから。
ああ、これでピアスも復活してくれたら嬉しいな、なんて思っていた。
案の定ピアスも復活した。もう、私が思った通りに桐山照史は成っていった。
その頃の私のヲタクのスタンスは、桐山照史以外見えない盲目ヲタク。桐山照史がいるからジャニーズWESTが成り立つと思っていた。いつだって桐山照史のことを考えていた。服屋に行っても、彼の好きな服装を思い出したり、同担に負けないようにダイエットや美容に励んだ。
だが、桐山担であることが次第に私の重荷になっていった。
「桐山担」の私が好き、と言ってくれる人が増え、「桐山担」の自分が好きだったからだ。
桐山照史は、小瀧望や藤井流星、センターの重岡大毅ほどの、所謂顔ファンがいない。
だからだろうか、桐山担である自分に自信を持てたのだ。
「私は顔で判断するような人じゃないよ」「彼の魅力は私だけが知っていればいいよ」
という気持ちが常にあった為、同担との壁には数多くぶつかってきた。
インスタのストーリーには、探りが増えたり、Twitterでこそこそ噂を立てられたこともあった。
その時は優越感に浸っていた。
私は、有名な桐山担になれたのだ、と。
決して有名になりたかったわけではない。
しかし、私の桐山照史への愛が、皆に知れ渡ったのだ、と勘違いした。
それからはムキになっていった。
インスタの加工に凝り、どうにか少しでも可愛い桐山担に見られるように努力した。
ほんのり匂わせをしたこともあった。
もう、その時点でおかしかったのだ。
先程も述べたように、桐山照史が好きというよりは桐山担の自分が大好きだった。
その事に気が付いたのはいつだっただろうか。
恐らく、いつかのレコメンだ。
「前髪を下ろして欲しい」と言ったファンに対して、「顔を隠せって言ってんのやろ?失礼とちゃう?」と答えた時だった。
あ、この人、こんなこと言う人だったんだ、と思った。
彼が本能で発言してしまうことがあることは知っていた。
でもこれは許せなかった。
顔を隠せって言ってるんじゃないんだよ、皆は下ろしてるのを見たいからそう言ってるんだよ、今の髪型が似合わないっていうわけではないけどそっちの方が似合うんだよ。
気持ちがぐちゃぐちゃになった。
正直、髪型はどうでもいい。
ファンに対してこういう発言をした彼が許せなかった。
そこで、ぷつんと切れた。
あ、私はもうこの人とは合わなくなってしまったんだ。ここはもう引き時だな。
そう思い、私は桐山照史から離れる事にした。
楽しかった思い出で終わらせたかった、ずっと好きでいるつもりだったけど、無理だったんだなあ。そんなとこも許せない私でごめんね、そんなことで幻滅してしまう私でごめんね。
大好きだったよ、照史くん。
世界で一番大好きだった、夢中にさせてくれてありがとう。